本日の聖書 マタイによる福音書13章29節
主人は言った「いや、毒麦を集めるとき、麦まで一緒に抜くかもしれない。刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい。」
宣教題「あなたは大切な一本の麦」 牧師 新保雅雄
畑に良い種が蒔かれました。その夜、闇に紛れて悪魔がやってきて、毒麦の種を蒔いていきました。時が立ち、両方とも成長する。やがて穂がつき始める。そこで初めて、毒麦が混ざって生えていたことに気がつく。農夫達は、大変だ、すぐ抜かなくてはならない。世の常識で考えれば、毒麦が生えている、と分かった時点で一気に刈り取るでしょう。
「毒麦」、これを食べると食中毒をおこす恐ろしいものです。当時は、死ぬ者もいたことでしょう。農夫は、主人に言います。「今すぐに毒麦を抜きに行きましょうか」。ところが、この主人は、「毒麦を集めるとき、良い麦まで一緒に抜くかもしれない。だから毒麦を抜かないで、そのままにしておきなさい。」こう言うのです。
この「主人」とは、神様のことです。なぜこの主人は、毒麦だと分かった時点で、毒麦を抜かないのでしょうか? 早く抜かなければ、他の良い麦の生長にも悪い影響を与えます。それに毒のある麦ですから、わかった時点で、早く引き抜かなければなりません。しかし神様は、抜かないで、刈り入れのときまで、そのままにしておけと言うのです。
ここに「神様の愛」があります。毒麦を抜くときに、間違って良い麦も一緒に抜かれてしまうかもしれない。たった1本の麦さえも、誤って抜かれてしまうことがあってはならない。私たち一人一人は、神さまにとって、大切な1本の良い麦なのです。しかし農夫は、良い麦を守るには、多少の犠牲があっても、今のうちに抜いてしまおう。そう思ったのです。
1本でも間違って抜くことがないように。待ってくださる神の愛。今私たちには、困難や試練もあるかもしれない。あるいは毒麦に毒されているかもしれない。しかし、愛されているのです。神さまは、確かに愛する良い種を蒔かれたのです。そのことを信じてください。その時が来れば、あなたは必ず神の御国へと救われます。
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