本日の聖書 ルカによる福音書16:9
「そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達をつくりなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。」
宣教題 「本当の賢さを求めて」 北村 紀一
ある金持ちのもとで、一人の管理人が働いていました。ところが、この管理人は任せられていたことをいいことにして、日頃から主人の財産を着服して、勝手に使い込んでいたというのです。
この管理人の横領は内部告発によって、主人にバレてしまいました。主人はすぐに管理人を呼びつけ「お前について聞いていることがあるがどうなのか。会計報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない」と窮地に立たされました。
そこで、困った管理人は考えました。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。そう思い、彼はすぐに主人に借金がある人たちを次々に呼び寄せました。そして、借金を減らす変わりに、自分が困った時には助けてくれるようにと、恩を売ったわけです。
不正な管理人によって大損した主人ですが、驚いたことに、彼の抜け目のないやり方をほめたのでした。
神さまは私たちのすべてをご存知です。私たちの弱さも欠けも、利己心や虚栄心があることもご存知です。その上で「不正にまみれた富で友だちを作りなさい」と言われるのです。
なんだかな〜という感じですが、私たちのする良い行いも、愛の業も、どこか不正や偽善が混じっているものです。
しかし、イエス様は、動機が純粋でないから駄目とか、やり方に偽善があるから駄目とは言われませんでした。
「不正にまみれた富で友達を作りなさい」とは、利己心や虚栄心や偽善というものが混じっていたとしても、それでもいいから、少しでも人から喜ばれるような事、感謝されるような事をして、自分を愛してくれる友達を作りなさいということです。与えられているものを、もっとも弱く、小さくされている友のために惜しみなく使えるように、主に本当の賢さを求めていきましょう。
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