本日の聖書 ヨハネによる福音書2章19〜21節
「イエスは答えて言われた。『この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる。』それでユダヤ人たちは、『この神殿は建てるのに四十六年もかかったのに、あなたは三日で建て直すのか。』と言った。イエスの言われる神殿とは、ご自分の体のことだったのである。」
宣教題 『御国を取引する者』 牧師 新保雅雄
ユダヤ人にとって最も大切な過ぎ越しの祭りが近づいてきた。地方や外国からも沢山の人々が、エルサレムの神殿へと上京してくる。
主イエスも弟子たちと共に神殿に入られた。そこには、神に献げる献げ物を売る商人、神殿に献げるお金を両替する両替商達の群れがあり、それを買い求め満足する人々、そしてそれを行うことで、神の祝福があると説教する祭司達。神殿は沢山の人で賑わっていた。
主イエスは、その様子をしばらく見ておられた。そして両替商達の台をひっくり返しお金を撒き散らし、献げ物に売られている動物を逃がしてしまった。主イエスは「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家にしてはならない。」と言われたのです。
物やお金を献げることで満足する人々。またそれを公然と当たり前に教える祭司達。罪の赦しを得、御国での永遠の命の保証を受ける。
そして物、金を惜しげもなく献げる。満足を金で買う者。満足を物で売る者。この情景は、わたしたちの周りにも腐るほどある宗教と言われるもの、それに群がる人々の関係に、少しも変わらない。神の家が世俗的な現世ご利益の宗教に、なり下がってしまっている。
こんなに私は献げ物をしたから満たされるだろう。御国が売り買いされる取引の場になってしまっている。宗教を行っているのに、神は何をしてくれるのか?まさしく神殿の崩壊である。
主イエスが三日で建て直すと言われた神殿とは、十字架による死からの復活、永遠の命のことである。私たちが見えることへの満たしから、私たちの心の中に居られる永遠の宮なのです。弟子達は、聖霊で満たされた時、このことを思い知らされたのです。
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