本日の聖書 ルカによる福音書22章25〜26節
「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と言われている。しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中で一番偉い人は、一番若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。」
宣教題 「十字架と仕える人」 牧師 新保雅雄
ルカ福音書は、いよいよ受難前日へと入っていきます。
主イエスが、ユダヤ人、祭司長たちによって逮捕される前の夜、使徒たちと最後の食事(晩餐)をされた時のことです。
主イエスは、パンを取り、祈り、そしてパンをさいて使徒たちに分け与えて、「これは、あなたがたのために与えられる私の体である。」と言われました。
また、ぶどう酒の杯も、同じ様にして、「この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。」と言われました。これは今日の聖餐式の元になるものとされています。
主イエスは、その食事の席で、ご自分が十字架で死ぬことは、あなたがたの救いのためだ、と言われました。しかし、使徒たちは、そんな主イエスの思いなどは、そっちのけで自分たちの、席順のことばかり考えて議論していました。
「裏切り者は誰なのか」「誰が一番偉いのだろうか」と話し始めたのです。主イエスが、これから死のうとされていることなど、まるで、使徒達の頭の中にはなくなってしまったようです。
そんな使徒たちに主イエスは、異邦人の話を出して言われました。「あなたがたの中で一番偉い人は、一番若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。」
一番若いもの、仕えるものとは、どんな意味なのでしょうか。
自分のことだけではなく、他人のことも考えられる人。そして自分だけではなく、他人の世話を一生懸命にする、心優しい人。
これは、これから起こるイエス・キリストの十字架の死を意味するものです。主イエスは、ご自身のための十字架ではなく、私たちのための十字架。このことを覚えて主の聖餐を味わいたいものです
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